2021年1月21日木曜日

金先生の掲示板講座 第2回

 桜井神社(2)

私見ですが、阿知という名は、どうも固有名詞ではないようです。古い韓国語の【아지】から来ているのだろうと推測するのですが、例えば隣の新羅の王族の始祖は、金閼智と言って名前は閼智【알지】です。俗説では子どもという意味だということになっていますが、これは眉唾物です。確かに、現代語の송아지(仔牛)、강아지(子犬)、망아지(子馬)などの【아지】と同音なので民間でそう語り継がれてきたのでしょうが、阿知にしろ閼智にしろ、子供扱いされる御仁ではありません。

むしろ現代語の、아제(慶尚道方言)、아저씨(ソウル方言)に通じる言葉で、大人、親分、大将ほどの意味だったのではないかと思われます。勿論「阿知王」という呼称でも残っているように「王」という意味でもあったと思われます。安羅伽耶の王です。

そして阿知には息子がいました。都賀使主(とがのおみ)と言います。また、弟腹と記録されていて、実際の血縁関係があったかどうかは微妙なところですが、兎に角、弟分がいました。その名は爾波(には)。これは歴史的仮名遣いなのでニワと読まなければなりません。

感のよい人ならもうお気づきだと思うのですが、息子の名は、栂(とが)。弟の名は上神谷(にわだに)や庭代台(にわしろだい)などの地名としてのこっています。

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