2021年1月31日日曜日

金先生の掲示板講座第3回

茅渟(ちぬ)の県(あがた)

この泉北を含む一帯は、古代には茅渟の県と呼ばれました。茅渟というのは大阪の目の前の海を茅渟の海と言ったのですが、ただ、現在の大阪湾を連想するのは間違いです。黒鯛(チヌ)がたくさんいる海だから茅渟だという説もあります。ともあれ、大阪湾は河内湖と言って大和川などが流れ込む湖だったのです。大阪市内、上町台地はすぐ瀬戸内海と接していました。難波宮のあった辺りです。泉北もたいへんな湿地帯で、安羅伽耶の人々は土地を改良するためにずいぶん苦労しただろうと思います。
私の想像ではありますが、【진흙】(チンフク=チヌク)という韓国語が連想されます。つまり【ぬかるんだ土=湿地】という意味ですが、それが茅渟(チヌ)なのかどうか真偽のほどは不明です。
ため池をたくさん作って水はけをよくし、土地を固めて耕地へと変えていったのです。土地を固めるために大きな車を大勢で曳き回しました。その車は今では祭に曳き回される【だんじり】として伝えられています。
【だんじり】、一度くらい思ったことがあるかも知れません。【だんじり】って何の意味でしょうか?。よく漢字で『地車』と書いているのを見ますが、【ぢぐるま】がなぜ【だんじり】なのでしょうか。泉北で暮らし始めたころ、私にとってもまったくのミステリーでした。ある日、【だんじり】を保管する倉庫か蔵か、とにかくその建物の前を通りがかった時、シャッターに書かれた『地車』の文字を何気なく韓国語で読んでいたのです。読んだあと、我に帰り驚きました。【땅수레】、땅(地、タン)ー수레(車、スレ)、タンスレと無意識に読んでいる自分に驚いたのです。【だんじり】ははるか昔の韓語(朝鮮半島南部で行われていた言語、現代韓国語の直接の先祖になる言葉で、伽耶、新羅、そして百済の被支配階層の言語)だったのです。この大発見には我ながらビックリしました。
【だんじり】(地車)は、後世に京都に伝わり【だし】と言われ、漢字も【山車】と変化します。ちなみに博物館などでよく展示してある【修羅】(しゅら)も韓国語の【수레】に同じです。

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